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学校の怪談 その壱 えんま大王 (美代子口演録) [はじめに(必ず読んでね)]

学校の怪談
その壱 えんま大王




春なお浅い中一の一学期、英語の時間だった。





授業中、ふいに一年二組の教室に不気味な静けさが漂い、
見渡せば、私以外のクラス全員が背中を丸め、一心に何かに取り組んでいる。





当時の区立中学は、小学校ですごく出来た子も、
普通に出来た子も、普通に出来なかった子も、
まったく出来なかった子も、悪ガキも真面目な子も、一緒くただ。






「えっ?」櫻井さんが迷惑そうに顔を上げる。

「ねえ、何してるの」私は小さな声で繰り返す。



櫻井さんはセーラー服の袖でノートを囲い込みつつ
だから何してるって何?」と声が大きくなったその瞬間、

「そこの二人!廊下に立つ!」






数分後、男性教師が様子を見に廊下に出て来た。
手には黒いえんま帳。





「私は話しかけられただけです」私の方を見遣り、自分にはまったく非がない事を主張する櫻井さん。

櫻井さんの鋭い口調に教師は一瞬うろたえたものの、
「授業中は話しかけられても答えない!櫻井は入ってよし!」と威厳を保ち、
えんま帳は開かなかった。





私はしばし無言でにらまれた後、
「口は災いの元」と言われ、えんま帳に何かしっかり付けられる。




未だにあのときみんなが何をしていたのかわからずじまいである。



えんま大王

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